”#LVMHグループの売上が16%増”
ヴァージルアブローがメンズデザイナーに就任しパリコレデビューも無事終えたルイヴィトンを擁するLVMH(
モエ ヘネシー・ルイ ヴィトン )グループの第1四半期 売上が前年同期比で16%増という驚愕の成長を遂げている。2018年の連結での売上も5兆8千億と途轍もない売上で6兆近いのですが。更にそれを16%も伸ばしているという。
LVMHグループについて
もちろんLVMHグループといえばルイヴィトン、 クリスヴァンアッシュ(KRISVANASSCHE) 率いるベルルッティ、キムジョーンズ(Kim Jones)率いるディオールなどの超一流ブランドを抱えているだけではなく。ヴァージルアブローがコラボしたモエ・エ・シャンドンやクリュッグ、ヴーヴ・クリコ、ヘネシーなどのワイン。 ショーメ、ブルガリ、タグ・ホイヤー、ゼニスなどの一流時計・ウォッチブランドもある。そしてフレグランス・香水も。
ボスのベルナール・アルノー(Bernard Jean Étienne Arnault)
ベルナール・アルノーCEOはフランス北部生まれで不動産業を営む父の家業を継ぎ1984年クリスチャン・ディオールを当時保有していたマルセル・ブサック・グループを 買収。それ以降、敵対的買収などを含め超一流ブランドをゴリゴリに買い集め。現在の華々しい成長企業ブランドに育て上げている見た目と裏腹にかなりの剛腕辣腕経営者である。
数々の異名と伝説を持つスーパー経営者
ベルナール・アルノーCEOは現在70歳でぱっと見は非常に穏やかで年齢と風貌から好々爺然としているが。その経営手腕と経営手法といえば正反対でときに非常に冷徹でアグレッシブに攻撃的な買収などを仕掛けることでも知られている。
これらのことから付けられた異名が「フランス・ファッション界の帝王」、「ファッションの法王」。「カシミヤを着た狼」、「ターミネーター」。最後のターミネーターというのがなんとも皮肉な例えではあるが。アルノーCEOの経営手腕とパフォーマンスからの比喩だと考えられる。
1989年からの 11年間で、LVMHグループ の市場価値は少なくとも15倍に。同時に、売上高と利益は500%増加した。この結果はそんじょそこらの中小企業ではなく既に大企業レベルであるLVMHグループの売上をこれだけのものにしたのだからそれは「ターミネーター」とでも言いたくなるものだろう。ちなみにベルナール・アルノーCEOは2018年に世界初となるGoogleと提携しGoogleプラットフォームを使い生鮮食品を販売するとしたスーパーのカルフールの大株主でもある。
地域別と部門セクション別の売上
地位別の売上は2019年ぶんはまだ公表されていませんが。今回の売上と利益の源泉となるマーケットはやはり昨年同様中国での売り上げが一番の要因となっているようです。
2018年売上
2018年利益
部門別の売上高を見て感じたのが当然と言えばそうですが。圧倒的なファッション部門の売上比率と圧倒的な利益率。ワイン部門の利益率もファッション部門同様30%近く。しかし時計や香水部門の利益率は予想外に低い。もともと建設・不動産業を生業としたベルナール・アルノー会長の手腕がこの数字から見える。
中国市場に乗り遅れているプラダは66%の減益
中国経済が減退している世界経済の難しい局面でこれだけの成長をものにしているのは高級ブランド市場全てというわけではない。例えばプラダは過去4年間で66%の減益を記録するなど非常に厳しい局面に立たされている。これは100兆円と言われる世界の高級ブランド市場の30%以上を牽引する中国市場の影響によるものである。つまり中国で売り上げを伸ばしているルイヴィトンやグッチに比べプラダは乗り遅れている。現に香港市場では3月の時点で株価の急落により700億近くの企業価値を失っている。