”#ジーンズのデニム生地と素材の今”
デニム生地は調べれば調べるほど非常に奥が深く。そして歴史もある。そして時代の変化とともに織り方、素材なども進化し変わっている。デニム愛とデニムマニアと言われる人でさえデニム生地の織り方や素材、そしてその歴史背景までは知る機会がないと思う。
もちろんデニム生地はジーンズの歴史といえる。しかしジーンズの歴史以上にインドや西アジアでターバンとして顔を日焼けなどから保護されることから使われていたなど実際にはかなりの歴史的な背景のある生地であることも分かっている。この記事を通してその時代背景とともにデニムとジーンズをより知ってもらいデニムシャツの選び方や着こなし方もより違った視点から見ることが出来ると思う。
この記事で紹介している情報
・デニム生地の歴史や由来
・デニム生地の種類と織り方
・デニム生地の最新情報
”デニム”の由来「セルジュ・ドゥ・ニーム(Serge de Nimes)」
デニム・ジーンズの誕生を知るには素材となるデニム生地の誕生を紐解くことで見えてくる。デニム生地の誕生はフランスのニームで誕生し我々が”デニム”と呼んでいる名称もこのニームの名を冠した 「セルジュ・ドゥ・ニーム(Serge de Nimes)」 から命名された。しかしデニム生地の誕生より遥か昔に遡って古代の時代よりデニム生地の原形である綿織物であるダンガリー生地がインドで誕生していたと言われている。
まだ明確な資料が不足しているが、恐らく紀元前の時代からインドなどの砂漠が広がる地域では熱さ、砂ぼこり、虫よけなど様々な用途からターバンとして顔を覆って保護したというのが発見された書物から分かっている。それ以外にインドの港近辺ではインディゴの染料(現在のデニム・ジーンズのブルーに染色させるが発見されていたこともそこから分かっている。
デニム生地のいろいろ
デニム生地は単純に1種類の織り方からデザインされているものだけではない。デニム好きな人でもデニム生地の織り方まで注意してみる人はそうそういない。しかし知ればするほどデニムの奥深さが分かるため知っておいて損はないだろう。
まずデニム生地はコットン織物であるため 布の三原織組織と呼ばれる”平織、綾織、朱子織”の3つに分類される。そして一般的にデニム、ジーンズと呼ばれる我々が日常的に履くものはほとんどが綾織りに分類される。
ライトハンドツイル(右綾)
デニム生地のほとんどがこの右上から左下に向かっての畝(綾目)が流れているライトハンドツイル、右綾である。
レフトハンドツイル(左綾)
ライトハンドツイル 右綾とは逆の綾目、右下から左上に向かって 畝(綾目)が流れている デニム生地をいう。おもにLee(リー)のジーンズ、デニムに多い。
ブロークンツイル
デニムのお写真を引用させて頂いた D.M.Z. さんのブログでご紹介されていたブロークンツイルの2本のデニムで上の写真は最新技術で作られたブロークンツイルのデニム。下は1970年代と思われる maverick 3J03MJのブロークンツイルデニム。こうやって見ると下のヴィンテージ感のあるデニムの方が味わいがあり愛着が湧くような気もする。
ブロークンツイルは 右綾と左綾の綾目がつながらないようにした 綾目がとぎれとぎれのデニム生地。綾目をつくらず崩す事で織物の構造が堅牢になるので、綾織りの特徴ともいえる「ねじれ」が出ないのが特徴。(通常、織物は綾目の方向にねじれていく)
ダンガリー
ダンガリー生地は名前の”ダンガリー”の語源は、西インドの「ダングリ(dungri)」という地名から来ている。ダングリで織られた粗野な綿織物ということで”ダンガリー”と命名されたようだ。 デニムの織り方とは真逆で縦糸が未晒し糸 、横糸が 染め糸である。生地としての歴史は非常に古く古代の時代より西アジアやインドでは活用されていたと言われている。また元々は薄手の綾織がほとんどだったが今では平織が多いため耐久性は織り方によってはシャンブレー生地と同等である。 流通量が最近ではかなり減り、薄いデニム生地=ダンガリー生地という風になっている。
シャンブレー
シャンブレーはタテ糸に染め糸、ヨコ糸に未晒し糸で平織で作られた生地をいう。シャンブレーは、ヨコ糸にタテ糸と色の違う染色糸を使う場合もある。 また耐久性はあまり高くないため春夏の薄手のシャツや裏地などで使われることが多い。
新しいデニム生地
21世紀に入り技術革新や過当競争、価格競争、ファストファッションの台頭などなどの理由からデニム生地やデニムのデザイン、製造工程などあらゆるところで大きな変化が起きている。
シルクデニム
シルクデニムが認知されたのは日本では『ガイアの夜明け』などでその素材の将来性などにフューチャーされたことから一般的にも見聞きするようになったが。まだまだこれからの素材であることは間違いない。
世界最高級の倉敷・児島シルクデニムタキシード
既にシルクデニムで製品化されている会社やショップさんもたくさん。なかでも非常に気になったのがデニムの聖地といわれる岡山県の倉敷市から株式会社ショーワさんがシルクデニムで作るデニムタキシードなるものをクラウドファンディング – Makuake(マクアケ)で公開していた。
カラーデニム
カラーデニム・ジーンズは今では当たり前となったが。それは21世紀に入ってからだろう。デニム生地もたて糸をインディゴ以外の染料を使い染色し主に硫化染料を使ったものが多い。これからの春・夏服のメンズファッションには非常に重要なアイテムでもある。
まとめ
デニム生地1つとっても非常に多岐にわたるだけではなく、時代とともに新しい織り方や素材なども出てきている。なかでもシルクデニムでタキシードというのは非常に斬新であり着てみたい気もする。またシルクデニムのスラックスもあったので時間があればまずは手に取ってみたい。