【革靴ブランド ソロヴェアー（SOLOVAIR）】歴史、最新ブーツに至るまで徹底解説

ソロヴェアー（SOLOVAIR）をご存知でしょうか。古くは1881年から続く、歴史ある革靴ブランドです。日本のみならず、世界中の人々の足元を彩る様々なブーツを提供し続けています。

そこで本記事では、ソロヴェアー（SOLOVAIR）に焦点を当て、概要や歴史などのブランドの情報をはじめ、最新ブーツに至るまで徹底解説いたします。

革靴ブランド ソロヴェアー（SOLOVAIR）とは

ソロヴェアー（SOLOVAIR）は、イギリスはノーザンプトン州で生まれた、実に130年以上もの歴史を誇る伝統深き革靴ブランドです。今では、イギリスにおけるクラフトマンシップの見本とも言われるほど、靴作りにかける情熱は、他の追随を許しません。

伝統的な熟練した職人の技術を活かしつつ、最新の技術や原料、あるいは場合によって機械を用いることにより、妥協せず、ハイクオリティな手作りの靴を生産し続けており、世界中の人々から愛され続けているブランドです。

革靴ブランド ソロヴェアー（SOLOVAIR）の歴史

本項目では、知られざるソロヴェアー（SOLOVAIR）の歴史を紐解いていきます。

1881年

当時、革靴は大抵の場合、個人の靴職人の手によって、各家庭で作られるのが一般的でした。そのため、報酬は非常に低く、雇用の保証もなく、靴職人は儲からない職業の1つとして認識されていたのです。

そこでウォラストン村に住む5人の男たちが、靴職人としての収入を安定したものとするために、ノーサンプトンシャー生産者組合という協同組合を結成し、運良く政府からアーミーブーツの製造依頼を1年間受けることができました。

1899年

19世紀後半になると、イギリス国内では至る所で工業化が進んでいきます。それに伴い、ハイクオリティのブーツに対する需要が国内外で高まることとなりました。

そのため、ノーサンプトンシャー生産者組合は、急成長を遂げることとなり、世紀末には従業員が80名にまで増え、1899年にはサウス・ストリートにある大きな工場に拠点を移転します。その後、1907年に工場を拡張、さらに1951年に再び拡張し、現在に至るのです。

1950年代

ソロヴェアー（SOLOVAIR）では、リベット、ステッチ、スタックオン、バルカナイズド、そして最近ではグッドイヤーウェルトなど、様々な製法でフットウェアを製造していますが、1950年代には、Solovair（Sole-of-Air）ブーツと靴をライセンス生産し、”Dr Martens by Solovair”という名称で販売しました。

1980年代

1980年代になると、ライセンス生産からは手を引くことになります。この頃は、イギリスの製造業は大幅に縮小しており、靴ブランドの数々は、外国からの完成品の輸入が増加したことで、苦境となります。

ソロヴェアー（SOLOVAIR）も例外ではなく、破綻寸前にまで陥り、不動産開発業者から土地開発のために、工場敷地を取り壊すよう提案されたほどでした。

2006年

Ivor Tilley氏が、工場を買い取り、長い歴史において、蓄積されてきた地元の人々の雇用や技術、知識を守るため、協同組合に相談し、皆口を揃えて彼の考えに賛同しました。

その後、工場は力を付けていき、Jack Wills, ASOS, John Lewis, Hudson (Purified), Joules, Vegetarian Shoes, M&S, Kurt Geiger, George Coxなどといったイギリス内外の有名ブランドからも依頼されるほどとなっています。

今

様々な困難を乗り越え、ソロヴェアー（SOLOVAIR）は、イギリス国内で、初めから仕上げまで、全て手がけることでハイクオリティのフットウェアを国内外の世界中の人々に提供しているのです。

革靴ブランド ソロヴェアー（SOLOVAIR）の工場

ソロヴェアー（SOLOVAIR）の工場についても掘り下げていきましょう。ソロヴェアー（SOLOVAIR）の工場は、1899年に創業されてから、複数回の拡張工事を経ていますが、ビクトリア朝の赤レンガ造りの外観からは想像もできないような、1世紀前にタイムスリップしたかのような空間が広がっています。

数十年前の機械や、様々な工程の靴が所狭しと並べられており、全て手作業で組み立てられているからです。1つの靴を作るために、牛1頭分の革を、靴のアッパーに適した形に丁寧に裁断することから始まります。その後、実に120年以上前の現役のピューリタンミシンを使って、各パーツを丁寧に縫い合わされていきます。

何世代にもわたって、同じ靴を同じ方法で作り続けていくことは、簡単そうで実は難しいはずですが、2度の世界大戦も、パンデミックも、不況も不屈の精神で乗り越えてくることができたソロヴェアー（SOLOVAIR）は、職人達を信じ、工場や技術を大切にしてきたからこそ、今の姿があるのでしょう。

革靴ブランド ソロヴェアー（SOLOVAIR）のリソールサービス

ソロヴェアー（SOLOVAIR）で製造されている靴やブーツの数々は、厳しい基準を乗り越えているため、長期に渡って使用し続けることができるという特徴がありますが、一方で、柔軟性と耐久性に優れた素材であるPVCから作られているソールは柔らかく、実は摩耗してしまうスピードは意外と早いというデメリットもあります。

そこで、靴やブーツを工場で修理してくれるリソールサービスが存在しています。修理を依頼してからの流れは下記の通りです。

1. 靴の中にラストを入れ、靴底を取り外すための安定性を確保します。
2. ラストが固定されたら、職人がナイフを使ってソールとウェルトを切り離します。
3. 新しいソールにウェルトを仮止めするために、4ヶ所にスポットを当てます。
4. スポッティングが終わると、職人は靴をヒートシールマシンに持っていきます。
5. 700℃の刃を使い、靴底とウェルトを接着させます。
6. ヒートシール後、余分な部分をカットし、シューズルームに運びます。
7. バフ研磨を行い、ラストを取り外してお客様の元へお届けします。

長く愛用し続けることができるソロヴェアー（SOLOVAIR）の靴やブーツは、このようにリソールサービスも充実しているので、万が一の時にも安心できるでしょう。

革靴ブランド ソロヴェアー（SOLOVAIR）のサスティナビリティ

ソロヴェアー（SOLOVAIR）は、サスティナビリティにも情熱を注いでおり、今現在のニーズが将来の世代に悪影響を与えることがないように心がけています。

第一に、製造工程で発生する廃棄物の90％は社内外でリサイクルされており、実質的にほぼ達成していると言えます。靴やブーツの部品はすべてヨーロッパで調達しており、可能であればイギリス国内で調達することで、カーボンフットプリントの削減にも貢献しています。さらに、常にエコロジーかつリサイクル可能な素材を探求し続けている点も賞賛に値するでしょう。

既に多数販売しているヴィーガンシューズにおいては、アッパー素材は、リサイクルされた合成素材と植物由来の生分解性物質の組み合わせで作られており、なおかつ、国際的に最も高い基準であるヨーロッパ（REACH）基準に完全に準拠しています。もちろん、ヴィーガンシリーズには、水性の接着剤も含め、動物由来の成分は一切使用しない徹底ぶりです。

また、ソロヴェアー（SOLOVAIR）の全ての革靴やブーツは、グッドイヤーウェルト製法で作られているため、アッパーの手入れさえ怠らなければ、靴底の交換は簡単で、コスト効率も良く、消費者に長期間愛用してもらえるものとなります。

さらに、有名なソロベアソールは完全にリサイクル可能であるため、生産時に発生する余分なトリミングも、プレミアムとライフスタイルのソールに再利用されています。

そして、靴箱を含むすべてのパッケージに再生紙を採用しており、郵送用バッグは100％リサイクル可能で、ティッシュペーパーは有害物質を含まないものを使用することで、プラスチック汚染の削減にも取り組んでいます。

雇用についても、地元の職人達を正社員で雇い入れ、公正な賃金を支払い、職人達やその家族達の生活が安定したものとなるようにも配慮しています。

革靴ブランド ソロヴェアー（SOLOVAIR）の最新ブーツ

丸みを帯びながらもスタイリッシュなSolovair Classic Eye Chukkaブーツ

丸みを帯びながらもスタイリッシュなSolovair Classic Eye Chukkaブーツ。後ろに耳のように付いているタグがかっこよさの中に、かわいらしさをプラスしています。カラーは全部で4色展開となっており、色が変わるだけで、印象もガラリと変わりますが、どれもコーディネートしやすいものとなっていますよ。

ハイカットで少しごつめなSolovair Classic Eye Brogueブーツ

ハイカットで少しごつめなSolovair Classic Eye Brogueブーツ。所々にあしらわれた刻印が男らしいゴツさを際立たせています。ハイカットなので、少しあそびを持たせたいカジュアルシーンでも大活躍。こちらも後ろのタグが可愛らしい表情をプラスしてくれています。

独特なカラーがたまらないSolovair Steel Toe 8 Eye Steel Toe Derbyブーツ

独特なカラーがたまらないSolovair Steel Toe 8 Eye Steel Toe Derbyブーツ。赤みがかったブラウンは、アグレシッブさを演出しています。絶妙なカットで足をシュッとしたスタイルに演出してくれるでしょう。全部で3色展開なので、お好みのものを選んでみてください。

個性的なシルエットの11 Eye Astronautブーツ

個性的なシルエットの11 Eye Astronautブーツ。雨の日の長靴ぐらいハイカットとなっており、秋冬の肌寒い季節の足元を重厚に守ってくれること間違いなし。11つのアイレットにより、ゴツさよりもよりスタイリッシュな印象となっており、ファッションセンスの良い方に履きこなして欲しい1足です。

ちょっとゴツくて男らしいSolovair Vegan 8 Eye Derbyブーツ

ちょっとゴツくて男らしいSolovair Vegan 8 Eye Derbyブーツ。艶感のあるブラックカラーがたまりません。かと言って下品なわけではなく、品の良さが際立っているのは、8つのアイレットのおかげでしょうか。全部で5色展開となっており、ヴィーガン仕様であるのも嬉しいポイントです。

スマートな印象のSolovair Vegan 6 Eye Astronautブーツ

スマートな印象のSolovair Vegan 6 Eye Astronautブーツ。比較的ローカットの仕上がりではありますが、それでもシュッとしており、スマートスタイルにぴったりな1足。カジュアルシーンはもちろん、フォーマルシーンでも活躍しそうです。特徴的なタグがオシャレ度をアップしてくれています。

モダンなシルエットのSolovair Vegan Hi-Shine Dealerブーツ

モダンなシルエットのSolovair Vegan Hi-Shine Dealerブーツ。デザインだけで見れば、ユニセックスな印象すらある1足。レッドブラウンの豊かな色合いがアグレシッブな印象を与えてくれます。ヴィーガン仕様なので、動物性由来の素材は一切使われていないのも、現代らしいです。

どこか可愛らしい印象のSolovair Vegan Hi-Shine Monkeyブーツ

どこか可愛らしい印象のSolovair Vegan Hi-Shine Monkeyブーツ。フォルムやカラーが独特で、他のブーツとは異なり、キュートでポップな印象すら感じます。全部で4色展開ですが、どの色も個性的で、思わず全種類揃えて飾っておきたくなるほど、コレクションしたくなるシリーズです。

まとめ

革靴ブランド ソロヴェアー（SOLOVAIR）について、本記事では、概要や歴史などのブランドの情報をはじめ、最新ブーツに至るまで徹底解説いたしました。

安定した人気を誇る老舗ブランドであるソロヴェアー（SOLOVAIR）も、これまで大変な苦難を乗り越えてきて今に至ります。ソロヴェアー（SOLOVAIR）が愛され続けるのはひとえに伝統を守り続け、脈々と職人達が技術を磨きながら、確かなハイクオリティの靴やブーツを作り上げてきたからに他なりません。

今季の新作もよりどりみどりで、目白押しとなっているので、ぜひお気に入りの1足を手に入れてみてください。