”We Are The World”
去年3月26日にルイヴィトンの公式サイトでヴァージルアブローのルイヴィトン・メンズウェアのアーティスティックディレクター就任が公表されてからもうすぐ1年が経とうとしています。
改めて彼がキム・ジョーンズの後継者としてルイヴィトンのメンズデザイナーのTOPとして華々しくそしてそこに辿り着くまでの軌跡を思い返し親友のカニエウエスト氏と感動の抱合を見せてくれたパリで開催されたルイヴィトン2019SSコレクションのデビューについて表舞台から見えなかった裏側を含め動画やインタビューも交えご紹介したいと思います。
コレクション概要
タイトル | 『We Are The World』 |
開催日時 | 2018年6月21日(木)21:30~ 開催 (日本時間) |
場所 | パリのパレ・ロワイヤル庭園 |
ゲスト | リアーナ、チャドウィック・ボーズマン、ジン・ボーラン、キム・カーダシアン、カニエウエスト、ナオミ・キャンベル、ベラ・ハディッド、リタ・オラ、岩田剛典、スワエ・リー、リウ・ハオラン、カイリー・ジェンナー、ダン・カーター |
モデル | Playboi Carti、Kid Cudi、Dev Hynes、Theophilus London |
コレクションタイトルは『We Are The World』
マイケルジャクソンの名曲としてアメリカだけではなく日本を含め世界中の誰もが一度は耳にしたことがあるこれこそがザ・ヒットソングと呼ぶべき説明不要の1曲ですが。ヴァージルアブローがルイヴィトン初デビューコレクションのタイトルとして選んだのが『We Are The World』です。
恐らく彼は世界一のファッションブランドであるルイヴィトンのしかもメンズウエアのトップであるアーティスティックディレクターにまでたどり着いた訳ですから。幼少期からここまでの軌跡を思い返す場面もあって小さいころに聞いたこのタイトルをふと思い出したのかもしれません。
開催場所はパリのパレ・ロワイヤル庭園
コレクションの動画を見た方はこのコレクションのランウェイの景観がまるで映画のセットやワンシーンのようだと思った事でしょう。 日本時間の2018年6月21日(木)21:30~ 開催されたこのコレクションはパリの1区にありルーヴル宮殿の北隣、サントノーレ通り204番地に位置し。もともとはルイ13世の宰相リシュリューの城館だったという歴史的にも非常に価値の高い建物です。
またフランス革命前に王位を狙っていたオルレアン公フィリップ・エガリテ(フィリップ平等公)が、金貸し業者からの借金の抵当になっていたパレ・ロワイヤルの屋敷の庭園を商人たちに貸し出した。 というなんともなエピソードで知られる場所でもあります。
コレクションに関するヴァージルアブローのインタビューコメント
ヴァージルはパレロワイヤルの庭園で、野外ランウェイに3,000人の学生を招待しました。観客席にはヴァージルアブローがグラフィックデザイナーの目と頭脳を使って考え抜いたプログラムがあります。
「基盤を築くこと、それが今シーズンの話題です。 私は世代の支配者に話したいです。 しかし、私は若い世代がやって来て、知ってほしいと思います。
via Vogue
“Laying a foundation, that’s what this season is about. I want to speak to the generation presiding. But I also want a young generation to come in and know, hey, there’s someone here who’s listening and speaking back to them.”
“私はここにいます。それを見せたい 私は後ろにもっと多くの人がいるだけの人物です。 私はドアを開けた。道半ばの人々を出迎えたい、そしてそれは開けていることを示したいです。」
“I’m here; I want to show that I’m just a figure with many more behind him. I’ve cracked open the door. I want to show it’s open, to meet people halfway.”
via Vogue
「ここにいる私のすべての友達を見てください。彼らは 彼らはただ彼らが信じることができる何かを望みます。そしてそのスタイルが大好きです。」
“Look at all my friends over here—males—they love style, they love luxury. They just want something they can believe in.”
via Vogue
『どこにでもいる子供たちと同じように、私は「ファッションスクール」なしで
オフィスでコピー機の使い方を学んだ後、スクリーン印刷されたアイデア、そして夢を持って非現実的なミッションを始めました。」“like some kids today i started the surreal mission without “fashion school” but a blank t-shirt, a screen printed idea for it and a dream. as a nod to that on every seat is a graphic t-shirt I made the early days ”
via virgil abloh
@louisvuitton once i learned how to use the photocopier in the office.
ヴァージルアブローは自分のInstagramアカウントで、そのTシャツの写真にキャプションを付けてこのように言いました。
「以前は、7回のコレクションを計画していましたが、シカゴからパリまで飛行機で行きましたが、6時間は眠れませんでした。 突然、私はこのショーで何が起こるのか、腕を組んで座っている人たちが「何を得たのか見せて!」と言っているというこのビジョンを持っていました。 全コレクション。 明らかに、誰もが私がストリートウェアをやろうと思っていたと思っていました。 そうではありません。“Before, I’d already had, like, seven collections planned, but I took the plane from Chicago to Paris, and for six hours, I couldn’t sleep. Suddenly, I had this vision of all the anticipation on what’s going to happen at the show, of a bunch of people sitting with their arms crossed, going, ‘Show me what you got!’ So in three hours on that flight I redrafted the whole collection. Obviously, everyone was thinking I was going to do streetwear. That’s not happening.
「私はホワイトについてのこの考えを思い付きました、それから、科学的に白い光がプリズムに当たり、次に色に屈折するという考え。 つまり、私です。 私はオフホワイト(OFF WHITE)です!それが私の存在理由、私がここにいる理由ですが、今は私は家系の影響を受けています。 しかしそれは更に深いものです。 それは人種、モデル、そして政治的エコシステムです。 そして実際には、それは生地です、フィットします。 スーツを切ることはできますか? 仕立て – どうすればそれができますか?
via virgil abloh
“I came up with this idea about white, but then, scientifically, the idea of white light hitting a prism and then refracting into color. I mean, that’s me—I’m Off-White! That’s my raison, why I’m here, but now I have the impact of the house. But it’s deeper than that. It’s race, it’s models, it’s the political ecosystem. And practically, it’s fabric, fit. Can I cut a suit? Tailoring—how can I do that?
コレクションの見どころ
今回のコレクションではヴァージルアブローの沢山の友人たちがモデルとして起用されました。このモデルのラインナップだけでも充分すぎるぐらいファンにとっては価値があるものだったと思います。
コレクションでランウェイに登場したモデルたち
多くのモデルがヴァージルアブローの個人的にもビジネスにおいても友人、パートナーといえるメンツが揃っており皆が各ジャンルでもトップクラスなため見ごたえがあります。
プレイボーイカルティ(Playboi Carti)
ヴァージルアブローの友人でもありエイサップ・ロッキー(A$AP Rocky)率いるA$AP Mobでもあるプレイボーイカルティ、アメリカの若者の間では彼のファッションをウォッチするファンが多く。ラフシモンズ、シュプリーム好きでも知られる。
コレクションでは、 グレーのレンガ模様のボトム、メタリックシルバーのポンチョ、チェーンで飾られた光沢のあるダッフルバッグ。
キッド・カディ(Kid Cudi)
デヴ・ハインズ(Dev Hynes )
THEOPHILUS LONDON (セオフィラス・ロンドン)
スティーブ・レーシー(Steve Lacy)
「超DIYプロデューサー」 であり”イノベーションとヒップホップ”をテーマにすべての楽曲をiphoneで作るという弱冠20歳の若手やり手プロデューサー。ミュージシャンです。ちなみにケンドリックラマー(Kendrick Lamar)のプロデュースも務めたという経験ももち既に大物感満載です。
注目すべきポイントと見どころ
ルイヴィトン2019春夏コレクション最大の見どころはアイテム、モデルさんも勿論ですが。やっぱりヴァージルアブローのデビューという大舞台での師匠であり大親友のカニエウエスト氏との感動のフィナーレの抱擁でしょう。もう見ているこっちが目頭が熱くなるものがあります。
11分50秒あたりでヴァージルアブローが少し緊張とも歓喜ともとれるような表情で登場し真っ先にランウェイ中央に陣取っているカニエウエスト氏を探しすぐにヴァージルアブローがカニエを指さし向かい。感動と感涙でしばらく動かず抱き合っているんですが。。ヴァージルアブローのお父さんとお母さんが後方で完全に野次馬みたいに写真撮ってるのがすごくシュールで良い具合にほほえましいですね。
“I had red glasses on, yellow shoes, a marble-patterned shirt, and a blue Moncler vest. It was a kind of a laughing stock-type photo because my friend had leopard leggings on and cowboy boots, but that peacocking, that’s us: unabashed, unjaded, confident. Here in the fashion industry a little too early, but obviously we’ve stuck around and now everyone’s super influential. And I knew that when the photo came out. I was like, ‘Finally, we will write ourselves into history.’”
Tommy Ton (トミー・トン)がパリで偶然2009年のコムデギャルソンのコレクション会場そばで撮られた一枚です。この一枚がSNSで拡がりにひろがって彼らは大きく認知されるようになったわけですが。まだこの当時のヴァージルもカニエもLouis Vuitton(ルイヴィトン)のメンズデザイナーにまで登り詰め。自分たちがパリでコレクションを仕切るとは思ってもみなかったでしょう。もちろんこのような過去を含めて二人は色んなことを思い出したことでしょう。
コレクションの中でも個人的に注目したのがモデル起用です。最近はとくにどのブランドでも目立っているのですが。アジア系モデルの活躍ですね。なかでも我らが日本人を代表してモデル起用されている方がいました!!!
日本人モデル コウヘイ(KOHEI)
弱冠20歳の現役大学生というからもう驚きですね。このコレクションで恥ずかしながらはじめてコウヘイさんを知りまして同じ日本人として凄い誇らしいのと今後の活躍をウォッチし陰ながらに応援したいと思います。
韓国人モデル ス・ミン Xu Meen
一目見たら忘れられない個性とインパクトのある彼、衣装やコレクション会場にも飲まれない独特の雰囲気を持っています。ただ素の感じのショットを見ると人の良さみたいなものが現れてますね^^
instagramは@xumeen
彼のポストにアップされてる衣装を見るとやはり彼しか作れない世界観だったりカラーがあって非常に見るものを惹きつけるものがありますね。
マテュー・シモーヌ(Mathieu Simoneau)
韓国とカナダのハーフという今後が期待されるモデルの一人です。身長は190㎝、まだ10代でモデルデビュー2年目にして既にルイヴィトン以外にプラダ。そしてラフシモンズは去りましたがカルバンクラインのコレクションにも登場しています。
コレクションの豪華ゲスト
カニエウエスト&キム・カーダシアン
トラヴィス・スコット
カイリージェンナー
リアーナ
ナオミキャンベル
エイサップ・ロッキー (ASAP Rocky)
岩田剛典
リウ・ハオラン
コレクションミュージック
はじまりは、BadBadNotGood – Untitled 63
2th カニエウエスト “I Thought About Killing You”
この曲がスタートした時のカニエさんの表情がもうHappyそのものでヴァージルアブローとカニエウエストの友情が垣間見えます。そしてヴァージルアブローがこの曲を選曲したのも師匠カニエウエストへの感謝や友情などの現れでしょう。
3th ”Ghost Town” BADBADNOTGOOD
このショット、カニエウエスト氏がケミストリーの川畑要さんにしか見えないのは私だけでしょうかwww