”History of Supreme”
ストリートシーンの王者として君臨して長い『シュプリーム/Supreme』。名前は知ってるけどどんなブランド?みんな買ってるから買った!って方も多いと思いますので今更って感じもしますが紹介しようと思います。著名人にも愛用者も多く、 ヒカキン(YouTuber)さん、 明日花キララ(元セクシー女優) さん、 ジャスティン・ビーバー(シンガー) など挙げればきりがないぐらいです。そして新作リリース日になれば驚愕するような長蛇の列を作るブランドにまでなりました。
ブランドの歴史は知れば知るほど面白いことに他ブランドにも繋がっていきます。多くのブランドを知るきっかけにもなりますがそのブランドのバックボーンを知ることでアイテムひとつひとつに愛着も湧きます。ブランド誕生から人気爆発の裏側、コラボレーションやトリビュートまでのすべてを紹介していきます。また創業者ジェームスジェビア氏についてもご紹介しておりますのでお時間あるときに見てみて下さい!!
Supremeのブランド概要
ブランド名 | シュプリーム / Supreme |
設立 | 1994年4月 |
創始者 | ジェームス・ジェビア(創業者兼CEO) |
本拠地 | 米国ニューヨーク |
拠点数 | 11店舗 |
製品情報 | 衣類、靴、アクセサリー、スケートボード |
総資産 | 10憶米ドル |
親会社 | カーライルグループ |
公式HP | https://www.supremenewyork.com/ |
@ supremenewyork | |
関連ハッシュタグ | #supreme #supremenewyork #シュプリーム #supvuitton |
関連する人物 | ショーン・ステューシー(Shawn Stussy) ケイト・モス 藤原ヒロシ Gimme5の設立者:Michael Kopelman(マイケル・コペルマン) UNDEFEATEDの設立者:Eddie Cruz(エディー・クルーズ) |
ブランドネームの名付け親 | 当時ジェームス・ジェビアが交際していた彼女が命名 |
ロゴデザイナー | バーバラ・クルーガー ( Barbara Kruger ) |
シュプリーム コラボの歴史が詰まった至極のindexリスト
シュプリームの起源”UnionNYC”
現在2019年から時を遡ること30年、1989年のアメリカ合衆国ニューヨーク州マンハッタンのスプリング通り172に『シュプリーム(Supreme)』の前身であるセレクトショップ”UnionNYC”がオープンします。その3年後、「ジェームス・ジェビア(James Jebbia)」は「ショーン・ステューシー(Shawn Stussy)」と出会い、1991年から1994年までの3年間『STUSSY』との提携をスタートさせます。
ジェームス・ジェビアという男
1963年7月22日にアメリカで生まれましたが1歳のころイギリスに移住し、1983年、19歳になったころアメリカに戻ってスケートショップ兼セレクトショップの『パラシュート』で働きました。もともとイギリスのウェスト・サセックス州にある電池メーカー”デュラセル”の工場ラインで働いており、休み時間にはT.REXの音楽を聴いていたジェームス・ジェビアは休日には貯金したお金でロンドンに服を買い付けに出かけるという生活を送っていました。
そして1989年にイギリスを拠点にしたブランドを中心的に扱うセレクトショップ”UnionNYC”をオープンしました。
1994年:スケートショップ『Supreme』設立
当時からジェームス・ジェビア自身が理想とするスケートショップがないと感じていた彼は、1994年4月にニューヨーク州マンハッタンのダウンタウンにあるラファイエットストリート274の古いオフィススペースにオープンしました。
当時のスケートショップの雰囲気といえば暗い照明で怪しい雰囲気漂うアンダーグラウンドな印象のショップが多かったのですがほかのスケートショップとは一線を画した、現在の内装デザインとしても充分通用するような高級ブティックをイメージした高級感あふれる高い天井に壁一面真っ白な内装デザインが施された明るい印象の内装デザインでした。
さらにショップスタッフにはリアルなスケーターを起用するなど今までにないブランディングを掲げたスケーターショップを立ち上げました。KNOWWAVE/aNYthingの設立者である「エーロン・ボンダロウフ」も初期スタッフとして働いていました。
オープン当初、”ZOO YORK”、”SSUR”、”THRASHER”、”SPITFIRE”、”VANS”、”e’s”、”DC SHOES”、”ATM”、”GIRL&CHOCOLATE”などのさまざまなスケーターブランドを取り扱っていたセレクトショップだったのですが「ジェームス・ジェビア」が手掛ける『シュプリーム』のオリジナルTシャツがそのブランドの中に混じって数点販売されていました。今でいう、セレオリ(セレクトショップの自社ブランド)みたいな感じですね。
今でこそ”ただのパクリ”とか”脱オタ”とか言われて受け入れられにくいセレオリですが
僕が服を作るときは必ずシンプルでクリーンなものにする。そして誰も思いつかない発想を大切にしそんなデザインを目指している。また自分が着たいと思う物しか絶対に作らない。
James Jebbia
と豪語する彼の信念が多くの人に受け入れられたのか、オリジナルデザインのTシャツも人気を博しTシャツ以外のオリジナルアイテムも徐々に増やしていきます。そして現在では世界中のキッズが垂涎する世界を代表するようなストリートブランドとしての不動の地位を確立しました。
名前の由来
ブランド名の『Supreme』ですが日本語に訳すと”最高”という意味なんですが、、、なんとそのブランド名は当時ジェームス・ジェビアが交際していた彼女が紙にいろんな言葉を殴り書きしている中で「Supreme」という言葉が出た時に「それいいね!!」っていう流れで決まったそうですwww
ブランド名ってもっとラフシモンズの『Raf Simons』のように創始者の名前とか、ヴァージル・アブローの『OFF-White』のようにすごく練られて言葉の背景には意味があったり。とかありそうなものですが意外とノリみたいな感じであっさり決めたみたいです(笑)
ロゴデザインの根源
『シュプリーム』といえばのおなじみのボックスロゴデザインですが赤に白抜きのデザインが非常に洗練された印象を与えますが実は元ネタは1945年1月26日生まれのアメリカ人女性アーティスト、バーバラ・クルーガーの有名な作品から来ています。
フランスの哲学者ルネ・デカルトの名言「I think therefore Iam(我思う、ゆえに我あり)」のパロディアート「 I shop therefore Iam (我買う、ゆえに我あり)」です。ロゴもパロディアート同様の”Futura”というフォントが使われており「Supreme フォント」で検索すればダウンロードも出来ちゃいます。豆知識として ”Futura”はラテン語で”未来”とういう意味を持っており1923年、ドイツのパウル・レナーによって制作された書体です。
なんか消費しない世代に流行している『シュプリーム』のブランドロゴだからこそですがルーツの意味が風刺的でかなり面白いですね(笑)
過激なプロモーションでカルバンクラインからの抗議
シュプリーム設立当時の1994年、ケイト・モスをモデルに起用したカルバン・クラインのモノクロ広告にSupremロゴのステッカーを張り付けるプロモーションで一気にその知名度を上げましたがプロモーション後すぐにカルバンクラインから抗議を受けました(笑)
他にも初期のスタッフであったプーキーがジェームス・ジェビアに渡された10,000枚のステッカーをニューヨークの街中に張り付けたプロモーションが”NEW YORK TIMES”で特集された逸話や2000年にはルイ・ヴィトン、2007年にNCAA(全米大学体育協会)、2009年にNHL(ナショナル・ホッケー・リーグ)などのデザインを真似したデザインのアイテムをリリースしたことで告訴されるなど設立当初から大胆なプロモーションで一気に知名度を上げ、社会へのアンチテーゼが若者にマッチしたのでしょうか、次々と人気を得ていきました。
日本での不動の地位確立のワケ
ブランド設立当初、日本では旗艦店がなかったためニューヨークから買い付けられた商品が渋谷、原宿にあるスケーターブランドショップ「ストーミー」で販売されていました。他にも渋谷区神宮前のとんちゃん通りにあった「STUSSY原宿チャプト」、渋谷区神南のファイヤー通りにあった「MADE IN WORLD」、渋谷区宇田川町にあったDJ MUROがプロデュースしていた「SAVAGE!」などでも販売されていました。
ニューヨークでは一大ブームを巻き起こしたシュプリームですが、”ロゴデザインがコカ・コーラに類似していてダサい”だったり、”洗濯したら一発でヨレヨレになるプリント”で”サプリーム”、”スプリーム”、”スパーミー”と間違えられて呼ばれるほどのマイナーブランドで知名度も評価も高いものではありませんでした。
その後、有限会社ワングラムが日本の正規代理店となり日本で本格的な販売を開始します。当時の有限会社ワングラムのブランディング&PR担当の惠比壽久雄(えびす ひさお)氏がブランディング&PR活動を勢力的に行いました。
1990年代当時絶頂の人気を誇っていた裏原宿系ストリートブランドA BATHING APE(ア・ベイシング・エイプ)のディレクターだった「NIGO(長尾智明)」や裏原宿系スケーターブランドHECTIC(ヘクティック)のディレクターだった「ヨッピー(江川芳文)」や数多くの裏原宿系ストリートブランドのグラフィックデザインを担当していたグラフィックアーティスト「スケートシング(SKATE THING)」などに着てもらうことで着実にシュプリームの人気を高めていきました。
さらに、裏原宿にあったrealmad HECTIC(リアルマッド・ヘクティック)を含め、シュプリームの取り扱い店を日本全国に広めて行きました。
更には、裏原宿系ストリートブランドGood EnoughやELECTRIC COTTAGEのデザイナーとしてカリスマ的人気を誇っていた藤原ヒロシ、Gimme5の設立者のMichael Kopelman(マイケル・コペルマン)、UNDEFEATEDの設立者・Supreme Los AngelesのオーナーであるEddie Cruz(エディー・クルーズ)、Stussyの設立者のShawn Stussy(ショーン・ステューシー)、Supremeの設立者のJames Jebbia(ジェームス・ジェビア)の交友関係を活かすことで、国内外問わず着実に知名度を高めていきました。
1998年、代官山店オープン
ついに1998年の6月に日本の第1号店が代官山でオープンしました。毎週土曜日はショップの開店前から代官山の並木橋に長蛇の列ができるほどの人気でした。
その人気に拍車をかけるように当時のメインな情報発信源だった男性向けストリートファッション誌(スマート、ブーン、アサヤン、クールトランスマガジン、フュージ、ワープマガジン、ホットドックプレス、ポパイなど)で絶大なカリスマ性と人気を誇っていた「窪塚洋介」をモデルに起用し雑誌にほぼ毎月大きく掲載され日本での更なる人気を得て、現在のような地位を不動のものにしました。
さまざまなコラボレーションと著名人とのトリビュート
シュプリームといえばコラボレーションがアイデンティティのひとつだと思います。毎シーズンといってもおかしくないほどの数のコラボレーションを発表していますがそのコラボレーションの歴史はなんと1994年の設立当初の芸術家とのコラボレーションから始まります。
最近ではあらゆるファッションブランドが、コラボをしていますがこのコラボブームのはしりは完全にシュプリームじゃないでしょうか。ストリートブランド同士のコラボはもちろん、垣根を越えてモードブランドやファッションとは全く関係のない企業ともコラボをしています。
ブランド設立からシュプリームは100以上のブランド、アーティストとコラボレーションアイテムをリリースしています。ファッションシーンにおいては関係のないブランドに思えても、コラボレーションすることで大きな衝撃と変革をファッションシーンにもたらします。
コラボレーションの歴史
公式にコラボレーションしたメジャーブランドは1996年の「VANZ OLD SKOOL」が第一弾だと言われています。2000年代初めに、当時人気絶頂だった「NIKE DUNK SB」とのコラボレーションや救命救助隊も使用しているアウトドアブランド「THE NORTH FACE」とのコラボレーションを筆頭にさまざまなブランドとコラボレーションを精力的に行ってきました。
2012年からは日本が誇る世界的ファッションデザイナー川久保玲が手掛けるブランド『コムデギャルソン』との異端なコラボレーションを定期的に行い、高橋盾が手掛ける「アンダーカバー」などドメスティックブランドとのコラボレーションによりストリートキッズのみならず世界中のファッショニスタが注目するブランドになったに違いありません。
さらに皆さんの記憶にも新しい2017年には告訴された過去がありながらも世界的にも有名な高級ブランド「ルイ・ヴィトン」とのコラボレーションを行い、ファッショニスタのみに限らずファッションに興味のない人も含めて世界中で話題になりました。
ヒカキンさんの猫にでも生まれたかった人生です(笑)人間としての尊厳棄てるんでヒカキンさんに飼ってほしいですねwww
ファッションと関係のないコラボレーション
このようにコラボレーションでもさまざまなブランドと組んでそのたびにファッショニスタを奮い立たせているシュプリームも「ん??」と思わせてくれるユーモア満点なコラボレーションを発表することも多々あります。
ドイツのHohner社のハーモニカやBraun社の計算機、アメリカのHardcore社製のハンマー、Colemanとのミニバイク、Instagramでも話題になったキャッシュキャノン、SOG社の折り畳み式シャベルにナイフに斧、カヤック、BMIのポケットメジャーにピンボールマシンとのコラボはSupremeヘッズたちも仰天した逸品たちでしょう。
特にエロ漫画の巨匠「前田敏夫」コラボで発表されたTシャツ、パーカー、枕はびっくりしました(笑)
著名人とのトリビュート
シュプリームと言えば著名人とのトリビュートも十八番です。ブランド設立当初は公式のコラボアイテムは発売されていませんでしたが、トリビュートという名目でニューヨークに縁のあるアーティスト、ミュージシャン、アスリートなどをフューチャーしたアンオフィシャル(非公式)のアイテムが数多くリリースされていました。 そんな著名人とのトリビュートも紹介します。
ミュージシャン
ジャズ、ソウルのミュージシャン「マイルス・デイビス」をはじめ、「オーティス・レディング」、「アイザック・ヘイズ」、 黒人の社会・政治問題に対する積極的な活動で知られている「パブリック・エネミー」、「レディー・ガガ」、ヒップホップ界の最強軍団「ウータン・クラン」の「レザ」、「スリー・シックス・マフィア」などのラッパーともコラボレーションをしています。
アーティスト
グラフィティ・アートをモチーフにした作品で知られる「バスキア」、1980年代のアメリカ美術を代表するアーティスト「キース・ヘリング」、天才と呼ばれるグラフィティアーティスト「カウズ」、「ドンディ・ホワイト」、「ダミアン・ハースト」などのアーティスト。
世界の三大喜劇王として世界的な人気を集めた「チャーリー・チャップリン」、アカデミー賞に史上最多の24回ノミネートされた「ウディ・アレン」、今でも第一線で活躍を続ける巨匠「クリント・イーストウッド」などの映画監督とのコラボレーションは有名な写真のオマージュやボックスロゴで目線を隠すなどさまざまなものがありました。
アスリート
元WBA・WBC統一世界ヘビー級チャンピオン「モハメド・アリ」、 WBA・WBC・IBF統一世界ヘビー級チャンピオン 「マイク・タイソン」、ジャマイカ生まれでNBAのニューヨーク・ニックスなどで活躍した「パトリック・ユーイング」、外国人力士として苦難を乗り越え史上初の優勝を成し遂げた「高見山」などのアスリートとのコラボレーションアイテムをリリースしています。
etc.
更には「私のは夢がある」でおなじみの黒人人種差別撤廃の父「キング牧師」、黒人公民権活動運動家のマルコムX、バラク・オバマ元アメリカ大統領などの歴史に名を残すような著名人などをトリビュートしたアイテムを数多くリリースしています。
世界の著名人も愛用
シュプリームはスケートボード、ヒップホップ、パンクロックなどをあらゆるカルチャーをフィーチャーし、ユースカルチャーを体現したような独自のデザインは、海外セレブ達もプライベートで愛用するほどの人気です。
アディダスとのコラボシューズや、ヴァージル・アブローの師匠のような存在でもある「カニエ・ウエスト」、ラフコレクターとしても有名でファッションアイコンでもある「エイサップ・ロッキー」、「リアーナ」や「ドレイク」、「ジャスティン・ビーバー」や今は亡きカール・ラガー・フェルドが復活させたシャネルの広告塔にも抜擢された「ファレル・ウィリアムス」など 世界的に有名なミュージシャン、アーティスト、セレブ 、アスリートからも愛されています。
もちろん日本国内の著名人からも絶大な支持を集めており、僕が個人的に好きでイメージモデルも務めた「水原希子」や「木村拓哉」、惜しまれながらも他界したカリスマ総合格闘家「山本KID徳郁」、こちらも個人的に好きな元AV女優「明日花キララ」、「仲里依紗」、人気YouTuber「ヒカキン」などなどシュプリームを愛する著名人はたくさんいます。
シュプリーム店舗一覧リスト
シュプリームはニューヨークで創業し今や世界中に店舗を構えています。2019年現在では世界で11店舗。もちろんその中には日本も含まれています。そして店舗ごとに取り扱うアイテムも違いますし、店舗のデザインも異なります。シュプリーム好きな方ならばいつかは全てのお店をめぐってみたいコンプリートしてみたいと思うはずですね。
とはいっても日本国外の店舗も多いのですぐにおいそれとはいけないかと思います。そんな方のためにグーグルマップとストリートビューをご用意しました。ご一緒にオンライントラベルと世界のシュプリーム店舗巡りを楽しみましょうwww
supreme ニューヨーク本店
まとめ
ストリートウェアブームの昨今、ストリートウェア界のTOPに君臨しているシュプリームの誕生秘話やなぜこんなにも熱狂的な崇拝したユーザーがいるブランドに進化したのか・・・など紹介しましたがどうでしたでしょうか?
”カルチャーの盗用”だともいわれてしまうこともあるシュプリームですがシュプリームなりのそのカルチャーへのリスペクトとサポートがシュプリームが”最高”である理由と他ブランドの差なんだと思います。ストリートブランドの閑散期だったころから自分たちの好きなカルチャーとコラボし、最先端のTOPブランドになった今でも攻めたコラボを続けていくのもシュプリームにしかできないことだと思います。
常に新しいことを、過激にもとれる大胆なプロモーションをやってきた成果が今の人気になっています。どのアイテムもコラボレーションもプレ値がつけられるほどのブランドにまで成長を遂げたシュプリームを今後もこのブログで追っていきたいと思います。
いつかSupremeを間近で見て来た数少ない1人、野村訓市さんにSupremeについて語ってほしいものです。
suprememuseumtoiuというInstagramのアカウント過去のアーカイブもまとめてあるのでおすすめです。