チャッカブーツはドレスに近い雰囲気を持ち、ビジネスでも履けるデザイン性から多くの男性から支持されるブーツとして人気が高い。秋・冬にはスウェード素材が季節によく似合い、デザインはオールシーズン活躍できるシンプルな物。ブーツの種類として見れば丈が短く、ソックスのカラーを明るい物にしてみるなどのテクニックが使い易い。今回はそんなチャッカブーツに焦点をあてて紹介していく。
チャッカブーツとは?
チャッカブーツはくるぶしまでの丈に加えて、少ないアイレット・シューレースホールを持つ革靴だ。また、爪先革と腰革の2組のパーツで大部分が構成されており、生産が容易な事から比較的安価での入手も可能である。他にも同じ特徴を持つ紳士靴として、デザートブーツやジョージブーツがある。
ジョージブーツはチャッカブーツよりもドレス色が強い種類に分類されるが、現在では総称してチャッカブーツと呼んでしまう事が多い。主な違いと言えばジョージブーツの丈はチャッカブーツよりも僅かに長く、クラシックスタイルのストレートパンツを履いた際に靴紐が隠れて見えなくなる特徴を持つ。
デザートブーツは『Clarks ( クラークス )』が開発した靴底に天然ゴム素材のクレープソールを用いた靴である。チャッカブーツよりも歩き易さとカジュアルな側面を持つデザイン性を重視している。
他にもジョージブーツはフォーマルシーンを意識したブーツである為、アウトソールにはレザーソールを採用していたりする事が殆どである。ブーツのシルエットもチャッカブーツと比べてみると、スタイリッシュでシャープな印象を受ける事もある。
チャッカブーツと言えばオールデン(Alden)
アメリカの高級紳士靴ブランドとして知られる『Alden ( オールデン )』はローファーからチャッカブーツまで名作と謳われる魅力的な製品が多く、オールデンと密接な関わりを持つホーウィン社の”コードバン”は、高級紳士靴の名に恥じない美しさがある。
贅沢なコードバンを用いたオールデンのチャッカブーツは世界中のファッションエディター達から絶大な人気を博し、国内セレクトショップや百貨店でも別注モデルの取扱いがある程だ。服好きであれば一度は耳にした事があるブランド。オールデンのチャッカブーツは男性の心を鷲掴みにするロマンが詰まっている。
チャッカブーツの魅力
チャッカブーツの魅力の一つと言えば、スタイリングの作り易さにあると言っても良いだろう。セットアップ・スーツからデニム・ジーンズにも浮く事無く自然に合わせられるブーツとして世界中で重宝されているのだ。
ヌーディーとチャッカブーツの組み合わせエロいと思いません?
— taccho@アミオダロン (@Laplace_Alden) October 18, 2019
JEANS:Nudie Jeans Co
BOOTS:Alden pic.twitter.com/Rv2OfShTrp
チャッカブーツのお手入れ方法
チャッカブーツは作りが単純な構造の為、基本的には革靴のお手入れ方法と変わりはない。革靴用のブラシである、豚毛ブラシや馬毛ブラシで表面の埃や細かなゴミを払うようにブラッシングをする。勿論、靴そのものを長持ちさせる為に革靴クリームも欠かせないだろう。
トップスター、トム・クルーズのチャッカブーツを使用したミリタリーコーディネート
主演作を努めた映画『Top Gun(トップガン)』は1986年度の全米興行成績1位を記録し、人気スパイ映画の傑作『Mission:Impossible(ミッション:インポッシブル)』シリーズでも爆発的に名前を広めたトム・クルーズのダンディな姿を激写した一枚。コーデュロイ素材を用いたフライトジャケットはチャッカブーツと合わせる事で、ミリタリーカジュアルなコーディネートに華やかさを取り入れる事ができる。
ここでキモになるのがチャッカブーツに使用されている革の種類だ。オイルドレザー系であれば無骨なミリタリー・ワーク色、スウェードレザーであれば垢抜けたカジュアルテイスト、ドレッシーなカーフレザーであれば落ち着いたクラシックスタイルという具合に足元の素材感で印象は大分変わるというもの。彼のスナップを見ると、チャッカブーツのフォルムはドレス寄りだが、素材はオイルドレザー系の艶である事から”ミリタリー系”を意識しているのが分かる。
こちらのスナップはスウェードレザーのチャッカブーツを同じ素材のライダース・レザージャケットと合わせたカジュアルな秋スタイル。シンプルな配色とベーシックなアイテム使いが本人の印象にしっくりくるコーディネートだ。ボトムスのデニム・ジーンズはややグレーが入ったかの様な曖昧なカラーリングだが、インディゴブルーで固定されがちなデニム・ジーンズよりもシックなナチュラルカラーのアイテムには好相性な色なのだ。
2020年に『TOP GUN(トップガン)』の続編『TOP GUN MAVERICK(トップガン マーベリック)』が公開!!
世界的な大ヒットを記録した映画『Top Gun(トップガン)』の続編が2020年に公開される。元々2019年公開予定ではあったが延期されたのだ。これによって前作の公開から約34年にも及ぶ続編の公開となる。トム・クルーズが更新したインスタグラムではイベント会場にて続編『TOP GUN MAVERICK(トップガン マーベリック)』のファーストトレーラーを公開出来た事に確実な手応えを感じたようだ。
アメリカ映画史にも残る作品の続編という事ならば尚更思い入れも大きい事だろう。来年公開の際には多くのファンから、世界的な映画のビッグトレンドになる事が予見されている。日本でも見逃せない作品になるのは間違いない。
ジュード・ロウに学ぶスタイリッシュなチャッカブーツコーディネート
タイト気味なサイズ感のライダース・レザージャケットはダメージ加工の入ったデニム・ジーンズと合わせてスタイリッシュな印象を思わせる。そんなファッションを好むジュード・ロウは、度々インターネット・SNSでもそのお洒落ぶりから名前が挙がるイギリスのスターだ。
出演作は『 シャーロック・ホームズ(Sherlock Holmes)』シリーズ『ファンタスティック・ビーストと黒い魔法使いの誕生(Fantastic Beasts: The Crimes of Grindelwald)』『SPY(スパイ)』『キャプテン・マーベル(Captain Marvel)』等、映画好きなら知らない人はいないであろう名だたる作品達。
このスナップでは日本でもお馴染みのブラック生地にストライプが入ったフォーマル系のビジネススーツだが、ジュード・ロウに掛かればこの通り。普段使いでは難しいビジネススーツだが、彼は黒のニットキャップと黒のヘンリーネック・Tシャツを合わせているだけで特別なアイテムは使用していない。
しかし、ここで足元をカーフレザー等の革靴にしてしまうとカジュアルとビジネスバランスが崩壊し、”ぎこちなさ”が生まれてしまう。彼はスウェードレザーのカジュアルな特性を上手く利用する事で、モードなコーディネートへと変化させている。彼は俳優としてだけではなく、ファッションエディターとしても優秀だと分かる。
ジュード・ロウ「白ブリーフ」でビーチを練り歩く
ジュード初、主演の海外テレビドラマ『ヤング・ポープ 美しき異端児』で魅力的な架空のキャラクター、ローマ教皇ピウス13 世。この作品ではアメリカ人で初の”ローマ教皇”という中々ぶっ飛んだ設定のピウス13 世が活躍するという話。
そんなクレイジーなテレビドラマの続編『 The New Pope 』 の予告プロモーションビデオではジュードが浜辺をブリーフで歩くという物に。美女達に囲まれていながらもひたすらに我が物顔で歩き続ける姿はとてもシュール。
米国が誇るジェントルメン、クリス・パインのイタリアンクラシコな秋スタイル
映画『ワンダーウーマン』『スター・トレック』シリーズの出演で知られているクリス・パインのファッションは、色鮮やかなジャケパンスタイルが美しいイタリアンクラシコ。ボルドーな色合いが秋の街並みに映えるチェスター・フィールドコートとブラウンカラーのチャッカブーツという組合せが非常に紳士的だ。
クリスは俳優活動やファッション以外でもとても努力家である事が知られている。例えばアメリカでも名門と言われている大学の1つカリフォルニア大学バークバレー校の出身であり英文学の博士号を修得している程。更に慈善活動などチャリティ団体への寄付も自主的に行っている。
実は彼の両親は両名共にハリウッド出身の俳優・女優である事から業界でも人一倍の努力を重ねていたのだ。ちなみに、私生活や映画の舞台挨拶、イベントで姿を見せる時のクリスは大体チャッカブーツを履いている。彼もチャッカブーツの愛好者である事が伺える。
新作映画『ワンダーウーマン 1984』にも出演
DCコミックの女性ヒーロー『ワンダーウーマン』の続編『ワンダーウーマン 1984』でも出演が決まっているクリス・パインと主演のガル・ガドット、パティ・ジェンキンス監督の微笑ましい3ショット。近年世界中で大きく広まりつつある女性達の社会的地位の向上という題目についての議論を呼ぶ中で『ワンダーウーマン』という作品自体が話題に挙がる事もある。
こういった時代背景からも注目される『ワンダーウーマン』だが、ガル・ガドットとクリス・パイン両名が劇中で活躍する姿を心待ちにしているファンが多い事も事実。筆者としてもパティ・ジェンキンス監督がどの様な物語を見せてくれるのか待ち遠しいところ。
大人の秋服・冬服チャッカブーツコーデ
これから大きなトレンドになる事が期待されている映画の公開が迫っている海外セレブ達。彼らの洗練されたチャッカブーツコーディネートは秋・冬のスタイリングに取り入れたいポイントが多くある。これから紹介していくコーディネート例でも引き続きチャッカブーツを使用したコーディネート術を紹介していきたい。
チェスター・フィールドコート × チャッカブーツでスマートなカジュアルスタイル
ブーツの中でも自由度の高いチャッカブーツは使いやすいブラウンカラーの物を一足持っていると、秋・冬スタイルのレパートリーを支えるアイテムとして活躍する事は間違いなしだ。写真では千鳥チェックのチェスター・フィールドコートを主役アイテムとして着こなしながらも、インナー・トップスには軽量のライトダウンでレイヤリングをしている。
寒い時期にはどうしても野暮ったさが悪目立ちしてしまうコーディネートでも、チャッカブーツとボトムスのシルエットでスマートな印象を与える事が出来ればコーディネートを格上げをする事が出来る。チャッカブーツとはメンズウェアの古典的なドレスアップアイテムであり、汎用性の高さでカジュアルかつスマートに仕上げる万能フットウェアである。
デニム・ジーンズ&デニムジャケット × チャッカブーツのワークカジュアルなスタイル
秋と言えばブラウンカラーが非常に良く映える。そしてネイビーカラーにはデニム・ジーンズの様なインディゴブルーに近い万能色という魅力がある。ネイビー×ブラウンはイタリア人男性の必殺コーディネート術だ。この写真では鞄の色、チャッカブーツの色を同系色で合わせている。
また、デニム・ジーンズとデニムジャケットはワークテイストな男性的カジュアルスタイル術の一例だが、チャッカブーツでスタイリングに華を添えているのがこなれ感を出しているポイント。鞄もクラシックスタイルな風貌のアイテムなので、嫌味やブランドアピールもなく纏まりの良い印象を受ける。
ライダース・レザージャケット × チャッカブーツでUKロックなコーディネート
ライダース・レザージャケットにスキニー・ジーンズは今や秋スタイルの象徴的なアイテム。チャッカブーツとハット、太めのスヌードで着飾ればどこかモッズな空気を持ちながらもシャープなUKロックスタイルの完成。各アイテムがシンプルなデザインである事も完成度を高めている要因の一つ。
日本国内でのトレンド・定番アイテムを考慮するのであればチャッカブーツではなくロングブーツやレースアップブーツでも応用が可能。その場合はロックスタイルとしのてハードな空気が強くなるので、ドレス感は大きく失われてしまうだろう。気分によって合わせるシューズを吟味していきたいところ。
カバーオール・ジャケット × チャッカブーツで秋の街着にマストなワークスタイル
写真のカバーオール・ジャケットは、基本的にデニム生地・ヒッコリー生地を用いたアイテムが多い。ここ数年、大手セレクトショップで取り扱われているノームコアなアイテムでもあり、ワークウェア的な魅力がある。カバーオール・ジャケットのヴィンテージ系デザインは、チャッカブーツで大人感満載なコーデに仕上げると街着に最適。
カバーオール・ジャケットとスウェードレザーのチャッカブーツならば、経年変化も楽しめて毎シーズンの定番コーディネートになれる。どちらのアイテムも汎用性が高いので、広く着回す事ができるデイリーユースなファッションアイテムだ。
ニット・セーター × チャッカブーツは女性との街歩きに優秀なデートスタイル
磨き上げられたチャッカブーツはシンプルなカジュアルシャツとニット・セーターの合わせ技で休日のデートスタイルにベストな組合せだ。丁寧に革靴の手入れをしている几帳面さをアピールする絶好の機会でもあり、ビジネスシーンでもデキる男の風格を出せるだろう。
秋口のスタイルとして見れば簡単に作れる事とカジュアル&フォーマルのバランスが取れている事が評価に繋がる。寒い日にはテーラード・ジャケットかトレンチコートで、より男性的な魅力を主張してみよう。
ミリタリージャケット × チャッカブーツのアウトドア系コーディネート
グリーンのミリタリージャケットが無骨な印象を与えつつも、デニム・ジーンズのロールアップでチャッカブーツを主張する事でアウトドアもスマートにこなせるコーディネートに。秋・冬を意識した3色色使いのバランス感も取れており、アメリカ、イギリス、日本では頻繁に目にするスタイリングなので、安心感も持てる。
お洒落セレブ、デビッド・ベッカムの英国流チャッカブーツコーディネート
暗めのダークネイビーなチェスター・フィールドコートから、引き立つように明るいブラウンカラーのスウェードレザーがワンポイント。お洒落なセレブとして名を連ねるデビッド・ベッカムのコーディネートは如何なる時でも計算されたアピールポイントを取り入れる。
オフの姿をパパラッチされたスナップでも、何気ないスタイリングにベッカム流のテクニックが光る事が多く、アイテムのアピール術は非常に参考になる。
トム・クルーズのチャッカブーツを使用したビジネススタイル
イベントで姿を見せたトム・クルーズの足元にはチャッカブーツがあった。チャッカブーツがビジネスシーンで活躍できるのはシンプルなフォルムとジョージブーツの様にボトムスで足元が隠れやすいところにあるだろう。セットアップ・スーツスタイル以外にもジャケパンスタイルやビジネスカジュアル等のスタイルでも応用の幅が広いので、やはり一足は持っていても損しないアイテムだ。
ジュード・ロウのストリートチックなコーディネート
ダークトーンな配色に独特のレイヤリング術でストリート×モッズのオリジナリティ溢れる着こなし術は流石。暗い配色に反転色のホワイトを入れる事で、垢抜けた印象と余裕のある雰囲気を作り出せる。夏のヘビロテアイテム、スウェットパンツでも代用できる。ラフさまで演出しているオールミックスなジュードのコーディネートは見ていて面白い。
遊び用セットアップ・スーツ゚が映えるクリス・パインのエレガントなスタイリング
上質な生地で仕立てたナチュラルカラーなブラウンのセットアップ・スーツに調和するチャッカブーツはスウェードレザーのマテリアル。ドレスシャツは印象が堅苦しくなり過ぎないように麻素材などのザックリした素材でカジュアルダウン。胸元のポケットチーフやアイテム選び・着こなし術を見ると、クリスはイタリア流のスタイル術を物にしている。
おすすめのチャッカブーツ × ブランドまとめ
『 JOHN LOBB ( ジョン・ロブ ) 』
『JOHN LOBB(ジョン・ロブ)』は1866年、靴職人ジョン・ロブによって誕生した。このブランドの特筆すべき点は創業開始時から既に王室御用達の称号”ロイヤルワラント”を所有している事。今でこそ”キング・オブ・シューズ”と呼ばれ、世界中のセレブやスターから支持されているジョン・ロブだが、創業当初はオーダーメイドシューズを手掛けるビスポークシューメーカーであった。惚れ惚れするような美しいシルエットと履き心地は全世界の男性を虜にする”靴業界のロレックス”だ。
『 TRICKER’S(トリッカーズ) 』
『Tricker’s(トリッカーズ)』は1829年創業のシューメーカーであり、現在でも日本国内から全世界中のファッションエディター達から支持される紳士靴のブランド。現在でもイギリス本国では創立者の子孫が経営している為、卓越した素材使いとその品質は伝統的な技法として代々確実に受け継がれてきている。
多くのファッションブランドとダブルネームでコラボしながらも、圧倒的な耐久性故にコストパフォーマンスにも優れている。アウトソールを張り替えればアッパーが修復不能にならない限りはほぼ永久に履き続ける事ができるだろう。